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4題 |
ひねもす |
ひ ひとりぼっちのこの夢で足跡を探しても、浮いたままでとどかない。
ね 眠ったらいけないのに、まぶたが落ちる。見えないのはいつもなのに、なんだか懐かしい。
も もう一度つかんだのは、本当に大切なものだから。乾いたはずの目にしみる。
す すぐ隣にあっても待ってる。理由を忘れても、心にはきっとひとつ。
しあわせ |
し 静かに手だけを繋ぐ
あ 新しい感情が生まれるということ
わ 笑って、そしてそのままキス
せ 背中を倒せば君がいる
さよなら |
さ 最後まで笑っていよう
よ 用意した言葉
な 涙よ止まれ
ら 楽には忘れられない
おもいで |
お 折り返し地点に来てしまった
も もつれた思考回路
い いらないものは捨てる
で 出会いが運命であったことには違いない
うるさい |
う 膿まれた感情
る 涙腺が刺激される
さ 些細なことが気にさわる
い いい加減に黙ってて
つごもり
つ 冷たい笑顔を暖めたい
ご ごめん、って謝るくらいなら
も もうあと少しでさようなら
り 理想のクライマックス
はつゆき |
は 儚い生き物が舞う
つ 続きのない行き先
ゆ 夢のようなまどろみ
き 気休めのような笑顔
うたたね |
う 浮かんでは消える合言葉
た たたずむひとひら
た ただ少し目を閉じるだけ
ね 寝静まった春
5題 |
白い罪 |
し 静かに「わたし」が生まれた
ろ 路地裏の彼ら
い 一緒にいられるのなら何だってした
つ 伝えられる暗号
み 見えなくなるまで抱きしめる
姫の目付けの5つの心情 |
はじめに呼んだのは自分の名前
裸足で出歩かないでください
あなたの時間はわたしの時間
後ろ姿ばかり追いかける
実は全て存じております
〇〇のお姉ちゃん |
絶対のお姉ちゃん(敵わない、ということ)
憧憬のお姉ちゃん(お互いが、お互いを)
静寂のお姉ちゃん(いつもみたいに言い返せよ!)
本当のお姉ちゃん(等身大の、人)
永遠のお姉ちゃん(その差は、埋まらない)
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先に息をし始める、ということ
笑い方が他人みたい
共有した水の中に見えたもの
同じ空気のにおいがする
生まれてくる前から知ってる
6題 |
badend |
ば 罰はいつだって自分に戻ってくる
つ 強く生きなければならないと意地を張っていた
ど どうしても言わなければならなかったのに
え 抉られた心臓
(ん) 無言
ど どれだけ呼んでもこの声はもう二度と届かない
happyend |
は 花が咲き始める様に淡く始まった
つ つまり、それは恋なので
ぴ ピッタリひっついて離れない
い 息苦しいのはキスのせい
え 永遠だって不可能じゃない
(ん) 言葉なんてなくても伝わる
ど どこだっていいよ、君となら
海にゆらぐ |
う 移ろいゆく全て
み 水にとけて消えてなくなる
に 似ている、と言ったあの人
ゆ 夢みたいに思い出す
ら 羅針盤の差す方向
ぐ 愚直に生きることしかできない
忘れな草 |
わ わたしには必要のないこと
す 素手で掴まれたみたいに
れ 冷静になれなかったわたしの負け
な 流れは戻せない
ぐ ぐしゃぐしゃになったかつての魂
さ さよならのキス
魚の夢 |
さ 冷めない身体
か 数えきれないウロコ
な なぜ涙が流れない
の 飲むことのできない水
ゆ ゆらぐ波
め 目の前にある砂の土地
きんもくせい
き 気づかないほど薄く、ささやかに
ん (接吻)
も 戻れないほど溺れてしまった
く くらくらするくらい(くら、くら、くら)
せ 背伸びをして、強い力で掴んだ
い いつでもあなたのそばで香ることができるように
冬の死骸 |
ふ 不確かなものを掴むように
ゆ ゆっくりと降り積もるか溶けるか
の 残りがかき集まって留飲
し 仕方ないと笑ったよね
が 我慢できずに溢れ出す
い いつかまた暖めよう
飲み込めない感情のための6題 |
焦燥は新しく疾走は感じないままに
胃から生まれ落ちる感情を
舌ではなく涙に乗せる
傷に見えた直線を指でなぞっても
痛みは皮膚を抉ることなく
鉛のような思考だけが唾液と沈殿する
愛ゆえの束縛6題 |
囁けないように口を封じ、
惑わせないように耳を覆い、
瞬けないように目を隠し、
触れられないように手を纏め、
たどりつけないように足を縛り、
全部外してめでたしめでたし
泡の眼 |
あ 明日がみえるまで
わ 忘れたはずの言葉をつむぐ
の 望み足りない光がいつか
ま まだあなたに届くならば
な 懐かしい温度を捨てても
こ 今度こそ恋にしてみせる
7題 |
知らない名前 |
し 静かにふちへと寄せるように
ら 羅列されていく暗号の意味
な なくならない残像を追う
い いなくなったひと
な 名前を呼んでも構いませんか
ま 毎夜夢を見ては目覚める
え 永遠に失くしてしまった気がする
生まれ変わるための7題 |
あなたのいう しあわせから逃げるのは
ふたりで笑いあうなんて もうひとりのわたしが許さないから
偽りの名前から生まれるものなんかないのに
頭の中で声が響くの
愛してるの理由は聞かない
どうか ひとりにしておいて
人間になったわたしに光が近くなる
言葉のための7題 |
卑怯者の寝言
浮気者の譫言
嘘つきの遺言
(無言)
人気者の暴言
新参者の独言(ひとりごと)
神さまの戯言
優しい世界 |
や 病み上がりの心臓
さ 去るべき止まり木
し 衝動が体を襲う
い 意味のない睡眠
せ 切ない歌は忘れなよ
か 形のない君の言葉
い 今までの世界に目をつぶって
赤い狂気 |
あ 明るい方向がこっちにしかない
か 感じることはひとつだけ
い いい加減に息を止めろ
き 消えそうな声が好き
よ よく見ろよく聞けよく感じろ
う うまく血が巡るまで
き 傷がついても倒れるまで続ける
8題 |
長い夜を待つ |
な 泣いても笑っても同じ
が 願望が表情に出る
い 今ならまだ振り返れる
よ 弱いものは勝てない
る 涙腺に沈む
を 大きすぎる存在というもの
ま まるで生きる理由みたいに
つ 強くなるならあなたの隣で
裸足で帰ろう |
は はにかみながら瞳をあわせない
だ 大丈夫と痛みもかき消す
し 知らない間にキス
で でもそれは愛じゃなかった
か かけがいのない左手(右手)
え 選んだものと捨てたもの
ろ ロケットで行くみたいに
う 後ろ姿は見たくない
涙乱れ撃ち |
な 流れるものは水の弾丸
み 見えない塩の分だけ
だ 唾液ほどゆるやかではない
み 未完成の蜃気楼
だ 誰かの濡れた軌跡
れ 冷淡な温度
う 海のように広いところまで
ち ちょうど貴方の手のひらに落ちる
9題 |
治らない病気 |
な 何でもないはずなのに
お おかしくなってしまった心臓
ら 落胆できるほど隣にいたわけじゃない
な 流れる涙は見ないふり
い 意味をなさなくなった両手
び 微生物みたいに潰される
ょ 呼ぶ必要のない名前
う 埋もれていた懐かしい気持ち
き きっと全ては君のせい
10題 |
流れ星にお願い |
な 長い間ひとりだった気がする
が 我慢すればやり過ごせると
れ 冷静になって沈む
ぼ ボタンをかけ違えるみたいに
し 死に場所ならここでいい
に 鈍い音がわたしの中で
お 衰えた心臓
ね ねえ、あなたの隣に
が 頑張れば手が届く
い 一緒に生きてください
11題 |
春の前にある季節 |
は はぐれそうな掌(てのひら)
る 瑠璃色の中にある瞳
の 喉の先には進まない
ま 間違えたことにしておきたい
え 永遠にこなくていいのに
に 西の方からのぼる月
あ 暖めたから生まれるわけじゃない
る 流転なんてしなくたって構わない
き 君のために芽吹く
せ 世界でとてもひとりきり
つ 続きをはじめようか
(誰か〜)
誰か私のために泣いてくれ/誰か私の頭を文字で満たしてくれ/誰か私の瞼を閉じてくれ/
誰か明かりをくれ/誰か舌を噛んでくれ/誰か世界を滅ぼしてくれ/誰か命を分けてくれ/